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零戦パイロット特攻隊員を描いた「永遠の0」漫画版の感想&レビュー【Kindle Unlimited⑦】

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Kindle Unlimited読み放題の一か月お試しキャンペーンで、色んな本を乱読してます。今回はそのうち第七弾です。作家・百田尚樹のデビュー作にして累計350万部を超える大ヒット作を須本壮一による漫画『永遠の0』を原作者の百田尚樹さんのツイートを交えながらレポートします。

 

 

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マンガ『永遠の0』は現在Kindle Unlimitedの読み放題対象作品なので、Unlimitedに登録すれば無料で読めます。

 

原作と映画・テレビドラマの「永遠の0」

原作は作家・構成作家の百田尚樹のデビュー作にして文庫本300万部を売り上げた、日本の文学・出版業界の歴史的な作品の一つの「永遠の0」。2006年に太田出版から初版が出版され、2009年には講談社文庫から文庫本化されました。

本作品は百田尚樹さんが50歳を目前にした49歳の時に執筆された作品です。

出版までの道のりは決して平坦なものではなかったようです。

この作品は英語翻訳もされていてアメリカでも販売されました。

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漫画・永遠の0のあらすじ(ネタバレなし)

 英語版"The Eternal Zero"の紹介文と交えてあらすじを紹介します。日本語は必ずしも英文の直訳とは限りません。

Your grandfather was a coward.

「あなた方の祖父は臆病者でした。」
That is the angry recollection with which a former Zero fighter pilot greets two Japanese siblings who, typically, despite being educated, know next to nothing about a defining war in the Pacific that took place within living memory.

元ゼロ戦パイロットは怒りの記憶を語った。聞き手の二人の典型的な日本人姉弟達は教育を受けながら太平洋戦争での生きた記憶の証言を何ら知らない。

 

The testimony rattles and confuses aspiring lawyer Kentaro and newly minted journalist Keiko since virtually the only fact they’ve grown up hearing about Kyuzo Miyabe is that he died a kamikaze.

元ゼロ戦パイロットの証言は二人を動揺させた。姉の慶子は駆け出しのライター・ジャーナリストで弟の健太郎は司法浪人生という名の実質ニートである。彼らは祖母の死後の七回忌に祖父から彼らの生物学的な祖父は宮部久蔵という、神風特攻で戦死したゼロ戦パイロットだったと知らされた。

 

When the young pair digs deeper into the man’s past, other surviving comrades only seem to confirm the verdict, but its very import begins to shift in surprising ways.

若い二人の姉弟、特にニートの健太郎が宮部久蔵の戦友に会って証言を聞き宮部久蔵の過去を掘り下げていくと、驚きの事実が明らかになっていく。


In addition to providing a window into the experiences of the losing side’s flyboys and a frank look at contemporary Japan’s amnesia regarding the war, this novel also undertakes a blistering critique of the folly and inhumanity of the Imperial Navy and Army and a nuanced exploration of the differences between kamikaze pilots and today’s suicide bombers.

敗戦国の戦闘機パイロットの経験した戦争を現代の戦争の記憶を無くした日本人の視点から描くこの作品は、帝国海軍と軍隊の愚かさと非道さに痛烈な批評をしている。また、神風特攻隊と今日の自爆テロリストとの違いを明らかにしていく。

 

At its core, however, it is a mystery of sorts about a long-dead man’s actions and intentions and a reconfiguration of the meaning of wartime loyalty and sacrifice.
物語の本筋は遠い昔に亡くなった宮部久蔵という男の謎と戦中の忠誠心や自己犠牲はとはいかなるものだったのかを問うている作品である。

健太郎と慶子みたいに、先の世界大戦について何も知らないし考えた事も無いという人は多いと思います。両祖父ともに戦争を経験しましたが、お恥ずかしながら私も最近までその一人でした。

映画版・永遠の0

百田尚樹さんは当初は映像化を断り続けていたみたいです。

 

山崎貴を監督として「永遠の0」は映画化され、2013年に公開されると観客動員数は700万人、興行収入87億円を超える大ヒット作となりました。

主演の岡田准一さんはこの作品の演技で第38回日本アカデミー賞主演男優賞を受賞し、俳優としての地位を不動のものにしました。

映像化には乗り気でなかった百田尚樹を快諾させ、ヒット作を作り上げた山崎監督恐るべし。映画も小説も、戦争を知らないで忘れかけている今の時代に求められて生まれて来た気がします。

テレビドラマ版・永遠の0

また2015年にはテレビ東京開局50周年記念ドラマとして向井理主演でテレビドラマ化もされました。

こちらはより原作に忠実なようです。 


「 ニュース0」の元特攻隊員の方お話

2013年12月20日、映画公開前日に放映された報道番組「ニュースzero」の中の「ゼロカルチャー」というコーナーで、映画で主演を務められた岡田准一さんが元ゼロ戦パイロットの方と一緒に特攻隊の中心地だった鹿児島県鹿屋市を訪問するという企画がありました。

 

同行したのは元特攻隊員の柳井和臣さん(91)。柳井さんは慶應義塾大学に在学中に徴兵され、1943年に海軍に入隊し、鹿屋基地に送られました。戦況の悪化に伴い、1945年5月からは体当たり攻撃する攻撃法が増加し、鹿屋基地からは908人の特攻隊員が帰らぬ人となりました。

 

「永遠の0」の主人公の宮部久蔵が最後に飛び立ったのもここ鹿屋基地です。

 

柳井さんは米軍が見当たらず帰還しましたが、死んでも後悔は無いという気持ちで飛び立って行ったそうです。

 

鹿屋基地に隣接する資料館の遺影や遺品が展示されている部屋に入室する際に柳井さんと岡田さんが一礼されていたのが印象的でした。

 

学徒動員の同期の写真を見つめ、非常に親しかった吉田さんの写真を見つけると70年ぶりの再会ということもあり、恋の話やおはぎを腹いっぱい食べられたら死んでもいい、と語り合っていたことなどを話されました。

 

岡田准一さんの、展示されている遺影の数々を眺めながら、「みんな色んなものを抱えて生きているから大人びている、というか男の顔をしているけどよく見たら若いというか幼い。あどけないところもあるというか、若いんだよなぁ。」と言う言葉に、今年靖国神社の就遊館で感じた気持ちを思い出しました。

 

当時死を覚悟した柳井さんは遺書を残さず、代わりにアルバムを作りました。

そのアルバムには、

 

お父さん、お母さん、では出発します。笑って死にます。不幸者でしたがお許し下さい。先に行きお待ちしています。

此のアルバムを差し上げます。時々、想ひ出して下さい。

呉々(くれぐれ)も御身体をお大切に!

 

と記されていました。永遠の0に描かれた人達に重なりました。

 

映画版「 永遠の0」を観た元特攻隊員の反応

 永遠の0は元特攻隊員の人たちの目にどのように映ったのでしょうか。

「宮部久蔵のような人物はたくさんいた」というのは、就遊館の展示や、戦争を生き抜いた元兵士の証言からもその通りだと思います。

 

映画「風立ちぬ」でゼロ戦の開発者・堀越二郎がモチーフの作品を手掛けるなど、自身も零戦に関係のある映画を発表したアニメ映画監督の巨匠、宮崎駿は百田尚樹の永遠の0を美化しているとかフィクションだと痛烈に批判していました。

 

彼はそもそもミリオタで、多少の嫉妬心もあるのかもしれませんが。宮崎駿も終戦時点で4歳ですから、当時の記憶に基づいて批判している訳ではないでしょう。

 

漫画は原作に忠実?

私は 原作を読んでいないので 詳しく比べることはできませんが、それでも Wikipedia の記事を読む限り、一部省略されたところや(慶子がプロポーズされなど)、マンガオリジナルの創作ヒロイン(四国の可愛い大学生)なども登場します。 それでも宮部久蔵の生涯を描くという大筋は原作と違わないと言っていいでしょう。

永遠の0 - Wikipedia

 

感想(微ネタバレ有り)

 

戦争を生き抜いた等身大の日本人像に涙 

超・話題作、大ヒット作でも私は今日の今日まで永遠のゼロの小説も映画もドラマも見ないで生きてきました( ;∀;)。映画がヒットしたのは渡独後だったんです、在外邦人の悲運よ。

しかし今年、靖国神社に参拝し、就遊館にも行ったことから興味を持ち始め、Kindle Unlimitedで読み放題対象だったので試しに読んでみました。

もう読み始めたら止まらなくて夢中になってページをめくり、あっという間に5冊をダウンロードして読破してました。漫画化&電子書籍&Kindle Unlimited ばんざい&どうもありがとう。

 

百田尚樹といえばテレビやTwitter、虎ノ門ニュースなんかでも「よく喋る大阪のおもろいおっさん」程度の認識だったのですが、こんな作品も書けるんですね。

 

「え?百田尚樹って小説家じゃないの?」という方へ↓。

 

後半にかけて伏線を回収していく構成の上手さは素直にすごいなぁ、と思いました。流石構成作家。よくTwitterで「ワシは天才かもしれん!」とツイートしてらっしゃるけど本当にそんな感じ。これがデビュー作、というのもすごい。漫画化の安彦良和氏もアニメーターとして働いてから漫画家デビューしてらしたけど、やっぱ下積み(?)が長い人はデビュー作から鮮烈なんだなぁと思いました。

 

朝日新聞の天敵とも言われる、機会があれば朝日新聞の批判をしている印象の百田尚樹さんですが、「永遠の0」朝日新聞の社長も認める作品だそうです(笑)。

 

 高山という左翼の新聞記者が、「特攻隊員はテロリスト」という持論を元特攻隊員の方にも展開していましたが、おそらく朝日新聞や東京新聞がモデルだろうと思います。彼の持論を気持ちよく論破しているのが小説・漫画・テレビドラマなので違いがわからない人は是非ともどれかおひとつ好きなのをご覧ください。映画版にはこの記者高山は丸ごと存在がいないようです。

 

とかく戦後の左翼教師や左翼新聞社や活動家による反戦教育は、「国民は洗脳されていたから死ぬのが怖くなかった」と言っては愛国心を否定し続けます。

 

しかし、元兵士の証言や遺言書の行間から見えるのは、彼らは洗脳されていて戦争に向かったというよりも、家族や日本に暮らす人々のために戦ったのだということです。

 

戦争の真っ只中に与謝野晶子が「君死に給うこと勿れ」と詠み、晶子は批判されました。

 

先人たちの尊い犠牲の上に今日の日本の平和が成り立っていることを決して忘れず、感謝し、二度と戦争を起こさない・巻き込まれないようにするのが大事だと思いました。

 

戦争中の記憶といえば、東京大学・東京都立大の渡邉教授のグループが白黒写真をカラー化して「記憶の解凍」というプロジェクトを進めていらっしゃいます。

日本は全国まんべんなく米軍の空襲で焼かれましたが、沖縄県では日本唯一の地上戦がありました。沖縄の平和祈念公園に行ってきましたが、その戦いは想像を絶するものです。

 

上記のまとめに関しても、米軍が沖縄を焼き払い、我が物顔で侵入しています。正直言って、現代に暮らす感覚ー平和ボケ、というのかもしれませんーからするとまるで理解不能ですが、「これが戦争なんだな」という気持ちになります。

 

宮部久蔵は日本に家族に会うために「生きて帰る」という「臆病者」でした。そのくせ撃墜した飛行機から降りるパラシュートを爆撃したりもします。「今、ここで負けたら日本にいる家族が殺される」そう思いながら戦う人達を後世がぬくぬくと平和で飽食の環境にいながら人殺しだのテロリストだのと裁いていいものなのでしょうか。

 

私はまだまだ勉強し始めたばかりですが、この作品に出会えて良かったな、と思います。

 

原作を読みたいのですが、百田尚樹さんは書店を守るために電子書籍は販売しない主義なので、海外からは気軽に原作を読めないのが残念です。次に帰国した時に本屋で買って虎ノ門ニュースの観覧に行ってサインもらおうかな(⌒∇⌒)。

 

 

アンリミテッドだから!普段読まない本も気軽に読めます✌ 

 

良い本に出会えたことに感謝です!